研究テーマ

星形成領域の観測研究

宇宙空間での星は、ほとんどが星の集団(星団)として生まれることが知られています。そしてこの星たちは、「分子雲」と呼ばれる希薄なガス(成分はほとんどが水素分子)と塵が混ざった雲の中で、重力収縮して形成されます。

このような星が生まれる分子雲は、大変冷たく(絶対温度10K程度)私たちは肉眼では見ることが出来ません。しかし温度が10Kの分子雲は、電波領域に電磁波を放射します。そこで、私たちは電波望遠鏡を使って、分子雲の観測を行い、星が生まれる現場を捉えようとしています。


惑星形成領域の環境調査

惑星は、若い星の周りに出来たガスと塵が混ざった円盤の中で、塵が成長し微惑星となり、それらが衝突合体して形成されると考えられています。しかし、これらの過程は観測的にまだよく分かっていません。

これまでに5000個以上の系外惑星が見つかっていますが、なかなか太陽系のような惑星系は見つかっていません。惑星系の多様性は何が原因なのか?私たちは、若い惑星系の観測を行い、「いつまで惑星の材料が残存しているのか」、そして「どのような環境で、いつ惑星に大気が入り込んだのか」など、これらの謎について解明していきたいと思います。

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), S. Andrews et al.; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello


天文データベースの構築

天文学者にとって、観測データは貴重な財産です。特に突発天体や彗星など、一瞬でそのイベントが終わってしまうようなものは、他の天体の観測中、偶然その背景に映り込んでしまうことがあり、アーカイブデータが重要な証拠になります。

これらのデータを維持するために、天文データアーカイブシステムの構築は大変重要な課題です。本研究室では、PostgreSQLによる天文データベースの作成にも力を入れていきたいと思います。